（出典：新日本プロレス公式）
7.25愛知大会に向けての、最初で最後の前哨戦である後楽園大会が、
同会場としては5か月ぶりに有観客試合として行われた。
注目はやはり愛知大会で行われるタイトルマッチの
前哨戦となるだろう。
特にロスインゴに関しては、ヒロム、BUSHIの離脱が、
この大会までにSNSを中心に大きな関心を集めていた。
よって今回の記事ではその2冠戦の前哨戦に焦点を当て、
振り返っていきたいと思う。
ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの結束
（出典：新日本プロレス公式）
結論から先に書こう。
ロスインゴの結束は固かったということだ。
戦前、皆様もご存知の通りロスインゴに対するネガティブな噂が流れていた。
しかしヒロム、そしてBUSHIはロスインゴを裏切ることなく、
いや、二人はEVILの離脱を契機により一層、
ユニットに対する思いを深めたということであろう。
私を含むロスインゴファンは、この試合を見て胸を熱くしたことかと思う。
上にある写真を見てもわかるように、入場時からヒロムは
いつもとは違う、捉えようによっては不穏な空気を醸し出していた。
そしてリング上でEVILと対峙した時、おもむろに革ジャンをはだけると、
そこにあったのはBCのTシャツ、そしてそこからコーナーの
内藤哲也、BUSHIに向けて銃口を向けた。
この光景にロスインゴファンはきっと目を背けたことだろう。
しかしヒロムはロスインゴファンを裏切らなかった。
BCTシャツを引きちぎり、それでEVILの首を締めつつこう叫んだ。
『俺がロスインゴを辞めるわけねーだろー！！』
そうだ、ヒロムがロスインゴを辞めるわけはないのだ。
内藤哲也への思い、そしてロスインゴへの思い。
それはEVILからの闇の勧誘にも揺らぐことはなかった。
またBUSHIも普段はあまり見せない感情を爆発させた。
場外のEVILにトぺ・スイシーダを見舞った後、
場外フェンスを揺さぶりながら、咆哮したのだ。
もしかすると戦前、ヒロム以上に、いやむしろ確定事項のように
離脱が噂されていたBUSHIだが、彼もまたロスインゴへの思いは
揺らぐことはなかったということだ。
思い起こせば5年前、BUSHIがロスインゴに入るとき、
もし内藤哲也に加入を認められなかったら、
プロレスラーを辞める決意であったとインタビューなどで公言している。
BUSHIもヒロムと同様に、内藤哲也への思い、
そしてロスインゴへの思いは深かったと言えるだろう。
他方、現時点ではロスインゴからの新たな引き抜きに失敗した
EVILだが、今回の試合を見てみると、表情も豊かになり、
ヒールとしての試合を楽しんでいるように見えた。
ロスインゴ時代の呪縛から解き放たれ、
新たなEVILを模索しているところだろうか。
もしEVILが今後もヒールとして生きていくのであれば、
今回の試合以上にファンのヒートを買う振る舞いが必要となるだろう。
同じBCで言うなら、リーダーであるジェイ、そしてKENTAのように
登場するだけでブーイングを浴びる存在、
そのような立ち位置がまずは目指すべきところであろう。
ロスインゴで見せていたEVILではなく、BCでの新しい形のEVIL。
つまりEVIL2.0というような姿である。
前回のドミニオンでは会場で、そして今回はワールドでBC入りした
EVILを見てみたが、たしかにテーマ曲やコスチュームは一新された。
しかし基本的なファイトスタイル、そしてマイクパフォーマンスなどは
ロスインゴ時代からあまり変わりないと感じた。
このように感じた方はかなり多かったのではないだろうか。
もちろん多くのファンはロスインゴを裏切ったEVILを憎々しく
思っているだろうが、同じくらいこれからのEVILに期待していると思う。
私もその一人である。
であるならEVILはトップヒールとして、その期待に応えないといけないだろう。
つまり今以上にヒール的な方向へ振り切っていく必要があるのではないだろうか。
もっともっと深い闇へ。今後のEVIⅬのさらなる進化を楽しみにしたいと思う。
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