10.9大阪大会で行われたAブロック公式戦。
今大会も多くの名勝負が繰り広げられたが、
個人的にはこれから紹介する二つの試合が印象に残っている。
それは一つは第2試合で行われた、石井智宏vs高橋ヒロムのSPシングルマッチ。
もう一つは第3試合のKENTAvsザックのG1公式戦である。
まず石井vsヒロムの戦いから触れたいと思うが、
直前の広島大会のKENTA戦につづき、
新日本プロレスは対ヘビー級の戦いをヒロムにぶつけてきた。
このマッチメイクはヒロム曰く、
ジュニアの意義を提言している自分に対する
新日本からの挑戦と本人は受け止めていたようだ。
そう考えると同じような身長でヘビー級の最前線にいる石井との対戦は、
ヒロムにとってより負けられない試合であっただろう。
結果に関しては皆さんご存知のことかと思うが、
激闘の末、惜しくもヒロムは敗れてしまい、
KENTA戦につづき対ヘビー級2連敗となってしまった。
しかしヒロムとしては今回の敗戦と引き換えに、
大きなものを得たのではないだろうか。
それは試合後のヒロムのコメントに現れているかと思う。
↓
でも、もしこうやって、石井から、KENTAから、ヘビー級から勝ったら、何倍も気持ちいいだろうが。ここまで、ここまで2人にボコボコにされたら、自分でも笑えてきたよ(※チラッと笑みがこぼれる)。いやあ、この笑いは決してムダなんかじゃねえ。意味のある……面白そうだ。超えがいがある。俺の夢はすげぇ険しいもんだなって、また改めてわかったよ。『G1 CLIMAX』、面白いな。次は1年後か。十分だ。
(引用:新日本プロレス公式)
このコメントを見る限りヒロムはどうやら1年後のG1を視野に入れたようだ。
ジュニアのままヘビー級のリーグ戦に参戦し、どのような結果を残せるのか?
を今回の戦いを通じ試したくなったのではないだろうか。
もし本当にヒロムの来年のG1参戦が実現し、そこで好成績を残せば、
彼が持ち続ける夢に大きく近づくことになるだろう。
そしてその前にヒロムには石井から送られたこのエールを実現する必要があるだろう。
↓
ジュニアは凄ぇんだっていう試合を常にやれよ。
“ああ、俺もジュニアになりてぇ”っていう、それぐらいの試合を見せろよ。
(引用:新日本プロレス公式)
これはいかにも石井らしい言葉であり、そして彼にしか言えない言葉とも言える。
まもなく始まるBOSJでヒロムを筆頭とするジュニア選手たちは、
この言葉を体現するファイトをきっと見せてくれることだろう。
そしてここからはKENTAvsザックの戦いに触れていきたいと思うが、
まずこの試合が第3試合で組まれたことは少々驚きであった。
二人の星勘定からいけばメインでもおかしくはなかったが、
結果的にその前の石井vsヒロムの戦いに続き、
この戦いも素晴らしい戦いとなり前半戦から大きな盛り上がりを生んだ。
その素晴らしい戦いを生んだのは、
この日のKENTAの戦いぶりが大きな要因であるかと思う。
この日のKENTAは試合序盤からはぐらかすことなく、
真正面から戦い結果的に勝利も手に入れた。
この二人はNoah時代からの因縁があるが、
まさにあの頃のKENTAで戦ったということだろうか。
試合後の二人のコメントも、ザックがKENTAをセンパイと語り、
それに呼応するようにKENTAもザックのことをグリーンボーイと語っていた。
おそらく二人の間には我々が知らない数多くのドラマがあるのだろう。
そしてそのドラマの続きは、これからは新日本のリングで続いていくはずだ。
さて今回のこのザック戦に勝利したKENTAには
一気に決定戦進出の目が出てきた。
戦前のKENTAの評価は伏兵というところであったと思うが、
ここまでの戦いを見ていると、逆転で決定戦に進出しても驚きはないだろう。
いや、もしかするとKENTAの決定戦進出を願っているファンは
私以外にも数多くいるのかもしれない。
それはKENTAが試合はもちろんのこと、それ以外の部分でも我々を楽しませている
最高のエンターテイナーだからではないだろうか。
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