KENTAの掲げる2冠王者としてのビジョン
(出典:新日本プロレス公式)
バックステージでのコメントを通し、舌戦を繰り広げている内藤哲也とKENTA。
その中で内藤哲也が投げかけた、今後のプラン、ビジョンを見せろという問いに
2.2札幌でKENTAが答えを発した。
そのコメントは以下の通りだ。
座ろうか(※と言ってフロアに座り、『NJPW WORLD』のビデオカメラに向かって語り掛けるように話し始める)熱くなってたと思う、オレ? 怒ってると思ったでしょ? オイ、あんな、あんなもんで……。昨日の哲也のコメント見た? あれちゃんと、一発で(収録)やったのか、哲也? バカチンが、お前、何回も……。一発でやったのか、しっかりと? あの、『“世界を経験した男”っていうのは、別にバカにして言ってるわけじゃない』って言ってたよ。100%バカにしてる。完全にいじってる。バカにしかしてない、あの言い方。わかる。さすがにそれぐらいは、オレでも。いじってる。完全にいじり倒してるよ。え、それで、“世界っていうのはWWEのことだけすか?”みたいなこと言ってたけど、ちょっと待て。オレ、一言も自分で言ってないから。『世界でやってきた』なんて、一言も言ってない。お前が言い出したんだよ。わかる? それで、“メキシコだって世界を経験したことになるんですけど”……いやいや、だから、お前が自分で言い出したことで、メキシコだって世界だと思うよ。ヨーロッパだってそうだよ。なのに、お前が勝手に『世界を経験した男』っていじり出したから、おかしくなってんだ。なに自分で言って、自分で変な感じにして……。オレが、『オレは世界を経験した男だよ。お前は黙ってろ』って言ったんならわかるよ。『いやいや、俺だってメキシコでやってきたよ』って言うんだったら話が合うけど、オレ、一言も自分で『世界を経験した男』なんて言ってないもん。自分が話しゴチャゴチャにして、よくわかんないよ。しっかりしてくれよ、もっと。だってコメントが一つの売りじゃん。どうしたん? 全然じゃん。全然面白くもないし、なんか弱い。最後の『アディオス』も日に日に声小っちゃくなってるし。どうした? え? ほんで、『(ベルトを)獲った後のプランを言え』って、あいつは……。それ、全然考えてない。だから……そんなシステムあった? “私、次にチャンピオンになったらこれこれこうします”みたいな、そんな選挙みたいなの、なかったよね? 急に、政策みたいなんの言わなきゃいけなくなっちゃったの? 考えてるよ。長くなるぞ。考えてきた。そうだな。たぶんン2月9日、オレがベルトを獲ったら、たぶんオレのこと、1月5日のあの乱入劇に対して、“乱入したもん勝ちかよ?”みたいなこと言ってるヤツがいっぱいいたよ。たぶん、そいつらの誰かが乱入してくるはずだよ。絶対そう。もしも、してこないのに、やる勇気もないくせに文句だけ言って言ってるんだったら、こりゃあメチャクチャだよ。必ず誰か来るよ。やったもん勝ちだもん。それで? IWGP(ヘビー級)とインターコンチ(ネンタル)に関しては……いや、“お前なんかIWGPに挑戦する資格ねえから”みたいなのが、アホなツイッターで。あとは“お前、ショッペえんだよ”って……“ショッパイ”って言うらしいよ、今どきのプロレスファンは。カッコいいよね。なんか通みたいな感じで。“お前みたいなショッパイやつがIWGPなんかに挑戦する権利ねえよ”って言われた。だからオレは、IWGPは返上しようかな。それで(挑戦)資格のある、東京ドームでやったあの4人でずーっと回してればいいと思うよ。ずーっと、それでやってればいい。新しいものを拒んで、新しい刺激を入れないで、先にどういうものが残るのか。オレも見てみたいよ。ずーっと資格があるヤツらで、ずーっと回してたらいいんじゃない? で、インターコンチ? ベルトをBULLET CLUB仕様に変えたいな。まさに今、BULLET CLUB仕様にして、あとはなんだろ? オレは去年、ここに入ってきて一番感じるのは地方、地方が元気ないな。街が死んでるよ。だからオレは、活性化したい。だからインタコンチは、地方で防衛戦やりたいな。どうだろ? それで、どんどん地方に発信していけたらいいじゃない。それと、オレは、ずっと防衛しながら、あいつの帰りを待とうかな。いつか交わる時まで。ま、そんなところかな。私の政策は。皆さん、いかがでしょうか? ご意見、お待ちしてます。(※立ち上がろうと片ヒザを着いて)ま、オレが何が言いたいっていうと……札幌、もうすぐオリンピックなんだから、Wi-Fiの強化と使えるクレジットカードのブランド増やした方がいいよ、ってこと
(引用:新日本プロレス公式)
以上のように今回のKENTAのコメントもいちいち正論であったように感じた。
これを見た内藤哲也はさぞかしイラついたことであろう。
もちろんKENTAも、すべてを本音で語っているわけではないだろうが、
内藤哲也からの問いの答えとしては筋が通っていると言えるだろう。
やはりKENTAはプロレス頭のいいレスラーだと改めて感じた次第だ。
まずはKENTAが語った、2冠王座のベルト戴冠後のプランやビジョンの話だが、
KENTAの言う通りこれまで挑戦者がベルトを獲った後のビジョンを、
タイトルマッチ前に公に語ったことは自身としては記憶にないところだ。
そう考えるとKENTAにしてみれば、
なぜ俺だけ言わなきゃいけないの?ということになるだろう。
初の2冠王座なので特別であるということもあると言えるが、
KENTAが言えばこれも正論に聞こえてしまうところがある。
もちろん戴冠後のプランなどがある方が、今後のことを想像したりして
ファンはより楽しめるわけである。
案外史上最悪の乱入者の異名を持つこの男は、ファン思いなのかもしれない。
次はIWGPヘビーは返上し、その後はこれまで同様決まった4人のメンバーで
回せばいいと語った部分だ。
ここでKENTAが本当に言いたかったことは、
IWGPヘビー戦線に新しい刺激を、会社が入れる気があるのかということだろう。
KENTAの言う通り近年のIWGPヘビー級戦線は、
オカダを中心にほぼ決まったレスラーしか王座についていないことは事実である。
それだけIWGPヘビーというベルトは、選ばれしレスラーしか巻くことが出来ない
希少性の高いベルトであるということだ。ゆえにその価値も必然的に上がっていく。
しかし今後さらなる活性化を目指すなら、新しい刺激が必要なのは正論である。
現在の4強と言われるレスラーが巻いていれば安心感はあるが
それはマンネリや停滞の始まりであるとも言い換えることが出来る。
常に新しい刺激を求めることはプロレスファンの性である。
最後にICの使い方であるが、地方の活性化のために防衛戦を行うというのは
大変良いことであるだろう。上にも書いたのだがこの男はファン思いなのか。
これまでIC=新日本ナンバー2のベルトという権威性から、
その防衛戦はビッグマッチ限定となっていたことは否めない事実だ。
それを普段見ることが出来ない地方大会で防衛戦を行うとなれば、活性化とともに
プロレス普及の裾野を拡げる部分でも大きな意味を持つことになるだろう。
そして今回のコメントで最も気になったのは、
いつか交わるかもしれないアイツを待つ、というところである。
アイツとは誰を意味しているかは、推測がわかれるところであるが、
名前がささやかれている誰と戦ってもまさにビッグサプライズとなる。
この試合の実現性は低いかもしれないが、
これはKENTAからのGIFTと謎かけということだろうか。
ロスインゴ結成後、正論を発信することでトップに昇りつめた内藤哲也に対し、
初めて真っ向から正論で返す方法論で挑むKENTA。
この場外の攻防を見るだけでダブルタイトルマッチへの機運が、
自分自身相当高まってはいるが、それは多くのファンの皆様も同様だろう。
そして2.9大阪城大会が終わった時、今回語ったプランやビジョンを実行できるのは、
現2冠王者である内藤哲也なのか、それとも挑戦者KENTAなのか。
運命のダブルタイトルマッチはもう間もなくだ。
次回は内藤哲也が語った、KENTAのこのコメントに対してのANSWERについて
書く予定である。そちらもご覧いただければ幸いだ。
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それでは今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。