正論と正論
まずは以下の攻防をご覧いただきたい。
内藤哲也とKENTAによる、バックステージコメントとツイッターの攻防だ。
1月29日 内藤哲也 バックステージより
(出典:新日本プロレス公式)
歓声とブーイングって、紙一重だと思うんだよね。
そもそも関心のない選手に対して、お客様は歓声もブーイングも送らないから。
日本全国どこへ行っても、KENTAに対してブーイングという名の大歓声が
起こるわけで。すごいね、KENTAっていう選手は。素直にすごいと思うよ。
まあ、いつも言ってる言い方をすると、“さすが世界を経験した男は違うわ。
1月29日 KENTA ツイッター
(引用:KENTA Twitter)
お互いを認め合っているようでいて、
また認めていないようにも思えるこの攻防の裏にはどのような背景があるのだろうか。
今回はそのあたりを考えてみようと思う。
まずキーワードは世界を経験した男と会社に守られてきた男であろうか。
ご存知の通り内藤哲也は大ファンであった少年時代の夢を叶え、
新日本プロレスのレスラーとなった。
重要なことはただプロレスラーになりたかったのではなく、
新日本プロレスでプロレスラーになりたかったということだ。
つまり内藤哲也にとっては新日本プロレスこそが全てであり、
他の団体には興味がないということだ。
本当かどうかはわからないが、WWEのことも興味がないと公言している。
他方KENTAは全日本プロレスでデビュー後、すぐにノアの旗揚げに参加し、
その後WWEへ挑戦するため海を渡った。そして現在新日本へ参戦している。
これまで歩んできた経緯を見てもわかるように、二人の生き方は対照的である。
今回の攻防のベース、発言の裏側には、
この歩んできた道のりの違いが大きく影響していると感じる。
2人のリング外の攻防の詳細は公式サイトなどを参照いただければと思うが、
お互い正論を述べているように感じる。
内藤哲也はKENTAのコメントにあるように、言葉の力を最大限利用し、
現在のポジションを獲得したことは事実であろう。
時には会社、時にはエース棚橋弘至に誰も言えなかった正論を吐き、
圧倒的なファンの支持を獲得し、時代を掴んだわけだ。
そして現在は初代2冠王者に君臨している。
そんな内藤哲也に対しKENTAはこれまで誰も言えなかった正論を投げつけたのだ。
これは内藤哲也にとってもロスインゴ結成後、初めての経験であるはずだ。
この経験はファンも初めてのことであるので戸惑っているように見受けられる。
リング上のみならず、SNSでも大逆風が吹いていたKENTAだが、
この一連の発信でなにやら風向きが変化していると感じられる。
KENTAの言ってることはもしかして正論?というように感じてきているファンが
増加してきているということだ。
つまりKENTAは、自身の掌にファンの心をうまく乗せたと言えるだろう。
結果ますますその存在価値を高めていると言っても過言ではない状況だ。
内藤哲也にすればこれは過去の自分を見ているように感じているのではないだろうか
発言の場所などに違いはあれど、方法論は酷似している。
さあ、内藤哲也はこの初めての状況からどう反撃していくのだろうか?
札幌以降はその部分も非常に楽しみなところだ。
ファンの気持ち
この状況はファンにしてみれば、試合以外でも楽しめる機会が増えているということ
であるから、2.9の本番に向けてテンションは上がる一方であるだろう。
常々言っているように、自身は内藤哲也ファンであるが、やや押され気味と感じる
この状況を楽しめているし、タイトルマッチへの期待感も高まっている。
これは別の角度から考えると、KENTAならば内藤哲也が相手でも、
何かをやってくれるのではという期待感ともいえるのではないだろうか。
よくよく考えると参戦後約半年で、圧倒的な選手層を誇る新日本プロレスの中で
これほど存在感高めたことは想像以上にスゴイことなのではないか。
内藤哲也が言う世界を経験した男は、
自分のポジションを掴むための術も熟知していたということだろうか。
いやが上にも本番への期待が上がるというものである。
リング上の戦いは今シリーズ、札幌大会まではワールドの放送もなかったので、
確認は出来ていないが今後さらに激化していくことは間違いないだろう。
ファンにしてみれば、リング外、リング上問わず主役たちの戦いを楽しみにしている。
これは 語弊があるが本番に向け、前哨戦を共同作業で盛り上げていって欲しい。
自己プロデュースに長けた二人のことだ。最大限に盛り上げてくれるだろう。
我々ファンはその戦いをもっともっと楽しもうではないか。
運命の決戦まで残りは1週間だ!
では今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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では今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。