3.2武道館大会のセミファイナルで行われた内藤哲也vs高橋裕二郎のNO LIMIT対決。
この戦いはある意味メインの王者対決より注目されていた部分があるだろう。
ロスインゴベルナブレス・デ・ハポンの内藤哲也。
そしてハウス・オブ・トーチャーの高橋裕次郎。
これはNO LIMIT解散後、ふたりが紆余曲折を経てたどり着いた
現在のそれぞれの立ち位置であるが、
新日本プロレスおける序列では残酷なほどの差がついてしまった。
いまや名実ともにトップオブトップに君臨している内藤哲也。
そして語弊はあるが長年ケガなどによりくすぶり続けた裕二郎。
その立場の差は誰よりも本人たちが理解しているだろう。
そんな思いを象徴するかのようにこの日ピーターを連れて入場した裕二郎は
大変緊張しているように画面越しからも感じた。
やはりこの戦いにかける思いは裕二郎の方が強かったのかもしれない。
結果はご存じの通り内藤哲也の勝利で終わったが、
この試合のハイライトはやはり裕二郎が乱入してきた二人を止めたシーンだろう。
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その場面とはいつものようにこの試合にも乱入してきたEVILとSHOに対し
裕二郎がこの試合だけは二人で戦わせてくれと懇願したのだ。
これは本来のHOTの戦いとは真反対の戦いとなるが、
裕二郎の気持ちを感じたのか二人はその思いを受け入れこの日はリングを降りた。
この場面を見て涙腺が崩壊したファンもきっと数多くいたことだろう。
しかしその後裕二郎が見せた姿はHOTの高橋裕二郎であった。
急所攻撃からのケイン。
ここまで正攻法で内藤哲也を苦しめてきた裕二郎であったが、
ここに来て今の戦いにシフトチェンジした。
結果、それが裏目に出て自身も急所攻撃を浴びて敗れてしまったが、
ただのエモーショナルな戦いに終わらせなかったのは、
高橋裕二郎の矜持と言っていいだろう。
どうしても長年プロレスを見ていると、試合に対し不感症になる部分があるのだが、
これは試合後の内藤哲也の立ち振る舞いも含め、
久しぶりに作品として素晴らしいものに感じた。
また最高の試合を見せた二人はそれぞれの言葉でこの試合について語った。
(高橋裕二郎)
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内藤、覚えてるか? 昔はよぉ、相手のこと一緒にベルトでぶん殴ったりよぉ、一緒に悪さしたよな。思い出せよ。内藤ちゃん、また一緒に、あ、来るか? HOUSE OF TORTUREに。また一緒によぉ、悪いことしようぜ! な!
(内藤哲也)
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俺は今の高橋裕二郎を否定するつもりはない。だって、アレが今の高橋裕二郎なんでしょ? なら、自分の信じた道を突き進めばいいよ。そして、また俺の視界に入ってくればいいかな。アミゴ・パサード(昔の友達)。俺にとっては、外すことのできない人物なんでね
(ともに引用:新日本プロレス公式)
再び巡り合った二人のこれからはきっと始まったばかりだろう。
いつか運命は二人を結び付けるのか?
この試合を見てそう感じたのはきっと私だけではないだろう。
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