今回はIWGP世界ヘビー級王座に関する記事を書いていこうと思うが、
まずは以下の二つのコメントを読んでいただきたい。
これは今回の2冠統一と飯伏幸太に向けた、ジェイとオカダのコメントである。
(ジェイ・ホワイト)
会社はチャンピオンのリクエストであるベルトの統一を承諾したわけだが、俺がIWGP世界ヘビー級王者に君臨した際には、ベルトの分裂を提案するぞ。そして、もう一度IWGPとインターコンチの歴史を復活させる!
(引用:新日本プロレス公式)
(オカダ・カズチカ)
ただプロレスが好きな33歳のオッサンから言わせてもらうと、『神だ、神だ』と思っていた人間がとんだ邪神でしたね。IWGP世界ヘビー級、クソダセえよ、この野郎!
(引用:新日本プロレス公式)
両者とも主旨は違うが明確に王者飯伏と王座統一に反論を提示している。
特にオカダの方は完全に飯伏幸太を否定していると言っていいだろう。
邪神、クソダセェよ、ここ最近のオカダからはあまり聞かれなかったテイストの言葉である。
まるで凱旋帰国直後の生意気なオカダに戻ったように感じる。
ここから言えることはオカダは王者飯伏にも、今回の統一にも納得いっていないということである。
この二人の明確な対立は個人的にはかなり興味を持ってみている。
オカダカズチカと飯伏幸太。
これまで何度か戦ったことがあるが、そこには基本的に対立構造はなく、
どちらが強いかというスポーツライクな戦いであったと記憶している。
しかし今回のオカダはハッキリと不満を口にし、飯伏との対立構造を作って見せた。
この展開を見てオカダが新王座に挑戦する姿を見てみたいと思ったのは私だけではないだろう。
そしておそらく近い将来この二人によるタイトルマッチは実現するかと思う。
それはNJCを優勝しての春の両国なのか、
もしくは別のルートでの挑戦を経てのスタジアムマッチなのかはわからないが、
多くのファンがオカダの挑戦を望んでいることは間違いないだろう。
では再びの王座分裂をぶち上げたジェイ・ホワイトの本心はどこにあるのだろうか。
ジェイの本心、それは自身のREAL ERAの到来に他ならないだろう。
そのためには王座という勲章はもちろん必要だが、
リング外でも常に自分に注目を集めさせることも重要な事かと思う。
この狡猾なヒールレスラーは若くしてそのようなことを理解し、
自分が何を話し、どう動けば良いかということが分かっているのだろう。
そう考えると今年初頭のあの失踪騒動も、姿を消すことにより自身の価値が
どのようなものなのかを確認するために起こしたのかもしれない。
もしそれが本当であるならばどこまでも食えない男である。
そこで自身の価値を再確認したジェイは今回NJCの優勝を狙っているだろう。
それはあと彼に必要なものは目に見える勲章だけだからである。
NJC優勝(ジェイ的にはJAY-PAN CUPだが)、そしてIWGP世界ヘビー級王座
という勲章を掴めば、それはまさにジェイの時代、REAL ERAの到来と言っていいだろう。
オカダカズチカとジェイ・ホワイト。
彼らが今回統一されたIWGP世界ヘビー級王座を戴冠した時、
時代がまた一つ動くことになるだろう。
そして彼らがこの王座を掴んだ時、
どのようなビジョンを見せてくれるのか大いに楽しみである。