王者高橋ヒロムの負傷欠場により、
急遽決定したIWGPジュニアのベルトをめぐる3ウェイマッチ。
この試合に出場する3選手は各自さまざまな背景から
負けられない想いを背負い出場することだろう。
そこで今回の記事ではこのジュニア選手権決定戦について進めたいと思う。
まず前王者となったヒロムの想いを最も背負っていると言っていいのは、
やはりLIJの盟友でもあるBUSHIだろう。
ヒロムからの指名という形で今回名乗りを挙げたBUSHI。
ではヒロムはなぜ自身の代わりにBUSHIをあえて指名したのだろうか?
それはやはりBUSHIにもう一度シングルで輝いてほしいという思いからだろう。
LIJのまとめ役として欠かせない存在であるBUSHIだが、
ことシングル戦線で結果を残しているかというと残念ながらそうとは言えない。
2016年KUSHIDAを破りIWGPジュニアのベルトを戴冠したBUSHIだが、
その後は再びそのベルトを腰に巻いてはいない。
また因縁のライバルであったKUSHIDAの退団後は、
シングルのベルト戦線からはより後退した状態であったと言える。
しかしここ一番での実力は決して錆びついてはいない。
それはヒロムの復帰も舞台となった2019年11月のオスプレイとの
タイトルマッチで証明されたかと思う。
だからこそ、そんな秘めたる実力を知っているヒロムは
今回BUSHIを指名したのではないだろうか。
一方、その王者からの指名による決定戦に異を唱えたのは、
これまたヒロムとは因縁深い関係である、エル・デスペラードだ。
以下は2.25後楽園大会でのデスぺのマイクだが、これはまさに正論と言えるものだろう。
↓
どう考えても次はオレだろうよ?(場内拍手)。(ファンタズモが近づくと)待て待て。(ここでBUSHIもリングイン)オッ? なんだよ、いるんじゃん。待て待て待て、いまなんかされたら死んじゃうよ。ちょっと待てよ。オメーらのシングルマッチなんか認めねえよ。次はオレだ! 100万歩譲って、3WAYだったらやってやるよ(場内拍手)。(ファンタズモに対し)メイビー、イン・オーサカ? ホエン、アイドンノー。バット、アイ・ウォント・レッスル・ウィズユー、アンドBUSHI。3WAY、IWGPジュニアヘビーウェイト、シングルマッチ。やってやろうじゃねえか!(場内拍手)。あとは会社が、どういう判断下すかだ。べつにコイツら二人がやったっていいんだぜ? いいよ! 誰も認めねえよ、そんなチャンピオンシップ、ハハハハ!
(引用:新日本プロレス公式)
どう考えても次はオレ。まさにその通りである。
いまだ記憶に新しい、昨年のヒロムとのBOSJ優勝決定戦。
それを忘れたファンは誰もいないだろう。
BOSJ覇者にして王者であったヒロムが返上した今、
ジュニアを守るのは俺しかいないとデスぺが考えるのは至極当然である。
またデスぺにはヒロムに対しての個人的な思いもあるだろう。
これは二人にしかわからない歪んだ愛情とも言えるが、
BUSHIとは違った意味での感情がデスぺにはあるはずだ。
先日タッグ王座を再び腰に巻いたデスぺであるが、
今回の決定戦に勝利しジュニア2冠王をなっても誰も驚くことはないだろう。
今のデスぺにはそれだけの風格が備わっているということだ。
そして最後はヒロムとは最も遠い関係と言えるELPについて書きたいと思う。
実力者として名高いELPだが、新日本マット参戦後いまだ
ジュニアの頂点のベルトには手が届いていない。
トリッキーなスタイルに目が行きがちだが、
その裏には確かな実力があることは間違いない。
そしてこれは想像だがおそらくELPと戦いやすいと感じている選手はいないと思う。
実は個人的には今回の3WAYでもっとも勝利に近いのではないかと思っている。
日本のトリックスターの次の王者は、
このカナダ出身のトリックスターへと受け継がれるのかもしれない。
そんな何が起こるかわからない、ジュニア王座決定戦が行わる
大阪城大会2日目は、本日14時スタートだ。
IC選手権を筆頭とした他のタイトルマッチとともに見逃し厳禁の一戦と言えるだろう。