4.28鹿児島大会のメインでは王者3Kに対し
前王者のデスぺ・金丸組が挑戦するタッグのタイトルマッチが、
そして5.4福岡大会では王者デスぺにYOHが挑戦するシングルの
タイトルマッチが組まれている新日本ジュニア戦線。
圧倒的なカリスマ性で近年の新日本ジュニアを牽引してきた、
高橋ヒロムが長期欠場中の今、新日本ジュニアは盛り上がっていると言えるのか?
当記事ではそんな現在の新日本ジュニアについて書いていきたいと思う。
さて現在のジュニアが盛り上がっているのか?という質問に対する答えの
結論を先に書くと、それは微妙という答えになりそうだ。
あのヒロムとデスぺの昨年のBOSJ優勝決定戦を頂点とするなら、
現在は残念ながらファンの興味も薄れているのではないだろうか。
それはそれだけヒロムの存在感が圧倒的であったとも言えるが、
いないものをどうこう言っても仕方がない。
逆に他のジュニアの選手はチャンスと思わなければいけないだろう。
ではヒロムいない現在のジュニアで
そのチャンスを活かしていると言える選手はいるだろうか。
その部分で言えば現シングル王者のデスぺは、
ヒロムも成しえていない2冠王を戴冠し、
現在のジュニアでは主役と言っていい存在だろう。
しかしデスぺもインタビューで自ら暫定王者と語っていたように、
ヒロムから勝利して初めて真の主役になれると感じているようだ。
ヒロムとデスぺはよく光と影という対の関係であると言われるが、
その言葉通りやはりヒロムという圧倒的光があってこそデスぺの影は色濃くなる。
そう考えるとヒロムの復帰をもっとも待ち望んでいるのはこの男かもしれない。
そして現在の新日ジュニアでチャンスという言葉が
もっともピッタリであるのは、長期欠場から復帰したYOHだろう。
復帰戦がジュニアタッグのタイトルマッチ、
そしてその戦いに勝利し、シングルのタイトルに挑戦決定と、
YOHは復帰後多くのチャンスを手にしている。
しかしこのYOHのプッシュに違和感を感じているファンもいるのではないだろうか。
自ら掴んだチャンスというより、会社からのプッシュで掴んだもの、
そう感じているファンも一定数いるように思う。
それが今回ジュニアのタイトルマッチが
盛り上がりに欠ける一つの要因であると思うが、
その他にも大きな要因があると思う。
それは既視感、つまりマンネリというプロレス界でもっとも起こりえる問題だ。
シングルのタイトルマッチはさておき、タッグタイトルのこの組み合わせは、
もはや定番と言える組み合わせである。
しかしこれは現在のジュニアの状況を考えると致し方ないものがある。
なぜなら負傷欠場や外国人選手が参戦しがたい状況により、
新日本ジュニアの選手の数が限定されてしまっているからだ。
ジュニアタッグ戦線の現状をよく見てみると、
ヒロムの欠場によりLIJでチームが組めず、
またELPの帰国でBCもチームが組めない状態である。(ベテラン勢は除く)
つまり今回の2チーム以外では本隊でチームを編成するしかない状態なのである。
その本隊には田口、ワト、タイガー、上村と数はいるが、
現在戦いの本流にいるとは言えない状況である。
よって今回のようなリターンマッチが
続くということになってしまうということだろう。
しかしシリーズのビッグマッチのメインを任されているわけであるので、
試合内容でこの逆風と言える状況を吹き飛ばすしかない。
それが彼らに課せられたミッションではないだろうか。
カリスマ・高橋ヒロムがいない現状はジュニア界から見れば大きな痛手だが、
ヒロムがいないといって盛り上がりに欠けると言われるのは、
他のジュニア選手にとって本望ではないだろう。
4.28鹿児島、5.4福岡のタイトルマッチではこれらのネガティブな
空気を払拭するファイトを期待しつつ当記事を終わりたいと思う。