レスリングどんたくシリーズ最終戦福岡大会のメインイベントで、
ウィル・オスプレイと鷹木信悟のIWGP世界ヘビー級選手権が行われる。
ジュニア時代からの因縁を持つこの二人が新日本の頂点のベルトを賭け、
シリーズを締めくくることは少し前では考えられなかったと思う。
オカダ、内藤、飯伏、ジェイという4強のいないこのタイトルマッチ。
時代は少しづつ動いているということだろうか。
今回のタイトルマッチの注目は何と言っても、
新日本参戦から約2年半、着実に実績を積み上げてきた鷹木信悟が
至宝のベルトを奪うことが出来るのか?というところである。
もしかすると鷹木信悟にとっては新日本参戦後、
もっとも負けられない戦いかもしれない。
これは個人的なことであるが、鷹木信悟のデビュー戦から
知っている私としてはこの業界の盟主たる新日本の頂点に
ぜひ立ってほしいという気持ちが強くある。
実力的に隙の無いオスプレイ相手にベルトを奪うことは容易ではないが、
今回こそ、お前のモノも俺のモノという、ジァイアニズムを発揮すべき時である。
インディーと呼ばれる団体でデビューし、
30代半ばでそれまでの実績を捨て新日本に挑戦を決めた男が団体のトップに立つ。
これはまさにジャパニーズドリームと言えるだろう。
しかし今回の相手であるオスプレイはあまりにも強敵である。
年齢もまだ20代と若く体力的にもこれからがピークと言える。
また身体をヘビー級仕様に大きくしたが、
そのスピードやハイフライヤーっぷりは全く変わっていない。
実力的には少々分が悪いことは否めないだろう。
しかし鷹木信悟にはオスプレイにはない経験がある。
新日本ではないが、ドラゴンゲート時代はトップヒールとして
常に団体を牽引し、数多くのビッグマッチを経験している。
つまり団体を牽引することとはどういうものか?
ビッグマッチとはどういうものか?
などを身をもって知っているということだ。
今回のタイトルマッチ、鷹木信悟に分があるとすれば、
おそらくそのような部分ではないかと思う。
ではもし今回のタイトルマッチで鷹木信悟が勝利し、
王者となれば今後はどのような展開が待っているだろうか?
すでに次のタイトルマッチは5.29東京ドームで行われること、
そして相手はオカダカズチカに決まっているが、
いきなり最強のチャレンジャーと言っていい男が立ちはだかる。
NJC1回戦では勝利しているが、タイトルマッチとなれば、
オカダもその時以上の力を発揮することは間違いない。
もしそうなれば東京ドームのメインという重責も加え、
鷹木信悟にはかつてないプレッシャーがかかることになるだろう。
はたして鷹木慎吾はこの頂といえる場所まで辿り着くことが出来るだろうか。
そしてもし5.29東京ドームで勝利しても、
その後は新日本のトップオブトップと言えるレスラーたちが黙っていないだろう。
飯伏、ジェイ、棚橋などこれまでの新日本プロレスを
牽引してきた男たちが手ぐすねを引いて待っているはずだ。
また個人的にはこの男とのタイトルマッチを期待したい。
それはLIJの盟友にして、自身を新日本に招いた内藤哲也との一戦である。
あの2019年G1で見せた激闘を再現することが出来れば、
まさに同門対決にふさわしいタイトルマッチになることだろう。
お互いの年齢を考えると、今しかないというこの戦いはぜひ実現してほしいと思う。
さてここまで鷹木信悟について、今後のことも含めいろいろ書いてきたが、
まずは今日のタイトルマッチに勝利しなければ何も始まらない。
そんな鷹木信悟の命運がかかるタイトルマッチは本日15時スタートだ。