前回の記事では1.4で行われるタイトルマッチの内の、
NEVER無差別級とタッグについての考察を書いたので、
今回の記事ではその続きとして残りのタイトルマッチである
IWGPジュニアヘビー級選手権とIWGP世界ヘビー級選手権に
ついての展望などを書いていこうと思う。
(前回記事はこちら↓)
この二つのタイトルマッチはセミ、メインに組まれているが、
それに相応しい選手同士の戦いであると言えるだろう。
はたしてこの各階級の頂上決戦と言える戦いが終わった時、
それぞれの景色がどうなっているのか。
それは新日本プロレス全体を見ても大きな影響を与えることは間違いないはずだ。
IWGPジュニアヘビー級選手権 エル・デスペラードvs高橋ヒロム
まさに現在の新日本ジュニアの最高峰に位置する
同期の二人が戦う運命のタイトルマッチ。
直近の対戦であるBOSJ28では時間切れ引き分けとなり、
決着はつかなかったが今回の戦いはその続きという意味合いも色濃くあるかと思う。
また二人の戦いと言えば昨年のBOSJ27の優勝決定戦が思い出されるが、
今回の戦いはそれをも超える戦いが期待されるところであろう。
さて今回のタイトルマッチはドーム初日のセミファイナルにマッチメイクされたが、
この試合順を当事者の二人はどう感じているだろうか?
セミにまで昇りつめたと思っているのか?
もしくはこの対戦カードでもメインを取れなかったと思っているのか?
おそらく二人とも後者の思いを持っていることだろう。
実質ここ数年のジュニアを一人でけん引してきたヒロムと
今年の新日ジュニアの顔とも言えるデスペラード。
現在の新日ジュニアで考えられる切り札的なカードであるが、
このカードをもってしても見えない階級という壁によりドームのメインは取れなかった。
今回の戦いでどちらが勝利するかは現時点ではわからないが、
どちらが王者となってもこの宿題を解消することが、
ジュニアを牽引する者としての命題となるだろう。
つまり今回のこのタイトルマッチは対戦相手の他に、
階級の壁と言う見えない敵とも戦わなければならないと言えるだろう。
IWGP世界ヘビー級選手権 鷹木信悟vsオカダ・カズチカ
第3代IWGP世界ヘビー級王者として2021年の新日本プロレスを牽引し、
今年のプロレス大賞MVPを獲得した鷹木信悟と
近年の新日本プロレスを牽引し続け、今年のG1を7年ぶりに制し、
再びタイトル戦線に戻ってきたオカダカズチカにより行われるIWGP世界ヘビー級選手権。
こちらも上述したジュニアヘビー級と同様に、
現在の新日本のヘビー級トップを決める戦いと言っていいだろう。
しかしジュニアと決定的に違うところは、このタイトルマッチを勝利しても
翌日の1.5でオスプレイとのタイトルマッチが控えていることだ。
この方式はダブルドームとなった2020年から続いている流れだが、
今年はそれに3本のベルトが絡むというイデオロギー闘争という側面もある。
つまり今回のタイトルマッチ2連戦のテーマは
新日本で一番価値のあるベルトはどのベルトで、
かつ最強の男は誰なのか?ということが言えるだろう。
では今回のこのタイトルマッチの行方を考えてみたいと思うが、
本当にどちらが勝つのか予想するのが難しいところである。
直近のシングルマッチでオカダが連敗していることを思えば、
今回は逆に有利な印象を受けるが、
もし翌日にオスプレイとの戦いに敗れれば1日天下ということになってしまう。
この展開はさすがに考えにくいだけに、もしオカダが1.4に勝利すれば
翌日のタイトルマッチもクリアし、再び新日本の頂点へと返り咲くだろう。
では鷹木信悟の立場から見ると今回のタイトルマッチはどう見えているだろうか。
そもそもオスプレイの返上などの経緯はあったにせよ、
オカダとの決定戦に勝利し実力でタイトルを獲得したわけだが、
気付けば正規王者である自身を差し置いて、
二人の選手がベルトを持ち出しそれぞれの立場で主張するようになってしまった。
そして展開の流れとしてはなぜか正規王者の自身が挑戦者のような立場になっている。
この展開はジャイアニズム溢れるチャンピオンにとっては看過できないことだろう。
よって鷹木信悟としては真の王者として認められるためには、
最強の挑戦者とも言える二人を撃破するしかないと言える状況だ。
2022年も引き続き鷹木信悟の年とすることが出来るのか?
そして1.8のノアとの対抗戦に王者として参戦することが出来るのか?
鷹木信悟にとっては年頭早々から今後を占ううえでの
正念場が待っていると言えそうだ。
さて2回にわたり1.4のタイトルマッチについての考察を書いてみたが、
ご覧の皆さんはどのような展開を予想しているだろうか?
この本番までの予想をする時間は、プロレスファンにとっては
最高に楽しい時間である。
残り2週間存分にその至福の時を楽しんでいただければ思う。