2.5札幌大会2日目のメインで行われたYOHとのタイトルマッチを制し、
初防衛をはたした王者高橋ヒロム。
押しも押されぬ新日本プロレスジュニアの顔と言えるこの男にとっては
この結果は当然と考えているかもしれないが、
試合はYOHのこれまでにない感情があふれたものとなり、
まさに雪を溶かすかのような熱さであった。
リング上では自身の夢であるIWGPジュニアヘビーを巻いたまま
IWGP世界ヘビーを獲り、ゴールデンタイムで戦うことを公言し、
またバックステージでは今度こそはジュニアの最多防衛記録を更新すると宣言した。
ともにヒロムであれば達成するのではと思わせるのは、
彼が持っている天性の華ともいえる期待感からくるものだろう。
はたしえヒロムはどこまでこの二つの夢に近づけるのだろうか。
そんなヒロムが次に狙う標的は2.21東京ドーム大会で戦う、
ノアの現GHCジュニアヘビー級王者AMAKUSAである。
彼らを語るうえで欠かせないキーワードとしては、
この試合のキャッチコピーでもある”トーキョートルネード”というワードだろう。
このトーキョートルネードはヒロムが2013年当時イギリス武者修行時代に
みちのくプロレスの剣舞と結成したタッグチームの名前である。
剣舞とAMAKUSAが同一人物がどうかは定かではないが、
もしそうであればヒロムにとっては思い入れが強くなるのも当然だろう。
そのあたりに関しヒロムはこのように語っている。
👇
トーキョートルネードの言葉にすごく意味を感じているので。AMAKUSA選手には無関係な話をして申し訳ないんですけど、これはノア側のキャッチコピーが悪いです。勝手に思い入れを感じてますし、ただの王者対決じゃないという気持ちですね
またその修業時代ヒロムは剣舞の持つタイトルに挑んだわけだが、
ヒロム曰く、何も出来ずに返り討ちにあったとのことだ。
その当時の思いもいまだに忘れておらず、今回のインタビューではこう語っている。
👇
その試合がものすごい…自分がクソだったわけですよ。全然何もできない、完全に返り討ちに遭ったんです。当時、自分は剣舞選手と一緒に住んでいたので、試合後に『いつの日か、タイトルマッチじゃなくてもいいから、またどこかで戦ってください』って言ったことがありました
これを見る限り10年前となる2013年は剣舞とヒロムはともにイギリスのおり、
まさに同じ屋根の下に住んでいたという深い間柄であったとうかがえる。
また剣舞の方が当時は格上であったことからもあり、
ヒロムはその当時の思いをいまだに忘れていないということだろう。
みちのくプロレス時代の剣舞、そして覇王、また今のAMAKUSAが
ヒロムが知るあの男であれば、この戦いは王者対決という側面以外にも
当時からつながるドラマの集大成ともいえる戦いになりそうだ。
はたして高橋ヒロムとAMAKUSAはどのような思いでこの戦いに臨むのか?
この試合は我々が想像しているより二人にとってはエモーショナルなものなのかもしれない。