4.28鹿児島大会で矢野通の保持するKOPWに挑戦する、
”king of darkness"EVIL。
ルールは矢野通の提案する『暗闇創造黒頭巾マッチ』に決定した。
*暗闇創造黒頭巾マッチルール
4本の鉄柱にセットされた黒頭巾を相手に被せた場合のみ、ピンフォール、ギブアップ、場外カウント、KOカウント等の決着が有効となる
はたして闇の王EVILはこのKOPWの戦いの先に何を見据えているのだろうか。
本稿ではそちらについて書いていきたいと思う。
まず昨年からのここまでのEVILを振り返ってみると、
2020年興行再開後は、NJC優勝、LIJからの脱退とBC加入、
そして2冠王座戴冠と秋口までは常に話題の中心にいたと言っていいだろう。
その反則、乱入を繰り返すファイトスタイルはいまなお賛否両論あるが、
それもファンがEVILを認めているからこそとも言える。
プロレスラーたるもの話題にも上らない方が罪と言えるからだ。
そんなEVILであるが年末のWTL以降は戦いの本流からは外れている状態だ。
SANADAやオカダとの個人的な抗争はあったが、
現在のIWGP世界ヘビー級王座戦線には参入できていないと言えるだろう。
そしてそんな中EVILが次の標的にしたのは、
なんとKOPW保持者の矢野通であった。
KOPWでは絶対王者とも言える矢野通だが、個人的には元2冠王者の
EVILがそこに向かうとは思ってはいなかったので、このEVILの行動は予想外であった。
多くのファンもそのように感じたのではないだろうか。
ではEVILはこのKOPWの先にどのような展開を見据えているのかだが、
まずKOPW自体が矢野通の独占状態となり、ややマンネリ化しているとも言える。
またこのKOPWはルールが基本的にない、つまり自由に決定できるので、
実は現在の反則上等のEVIL向きであるとも言える。
なぜならファン投票はあるが、決定してしまえば堂々といろいろなルールで戦うことが出来るからだ。
そう考えるとEVILは今回矢野通からこのKOPWのタイトルを奪い、
KOPW自体を闇に染め上げようとしているのではないだろうか。
現在は矢野通が保持していることもあり、バラエティ色が強いタイトルとなっているが、
もしEVILが持つこととなれば、一転その路線をハードコアな方向に変化させることも可能である。
ノーDQマッチ、ラダーマッチ、金網マッチなど
現在のEVILのファイトスタイルが活かせる戦いを行うことが出来る。
今後スタジアムマッチなどビッグマッチが続くことを考えてみても、
このような派手な戦いは必要となるだろう。
そう考えると今回EVILがKOPWを戴冠し新たな路線へ
舵を切ることは十分にあり得ると言えそうである。
しかしEVIL本人は今回KOPWを戴冠したとしてもそれで満足することはないだろう。
なぜなら彼は新日本の中でも限られた選手しか戴冠できない
IWGPヘビー級を巻いた男であるからだ。
やはり今後EVILが本当に目指すところはIWGP世界ヘビー級王座だろう。
今回のKOPWをきっかけにEVILは再び戦いの最前線へ戻ることが出来るのだろうか。
そのあたりも含めこのKOPWの戦いは大いに注目すべきであると思う。
最後に、
今、新日本でもっとも多くのブーイングを浴びるといって過言ではないEVIL。
しかしそれはもしかするとファンからの期待の裏返しと言えるのかもしれない。
なぜならブーイングはヒールにとって最高の声援であるからだ。