前回の記事で以下のような内容の記事を書いてみたわけだが、
今、プロレス界は一言でいうとピンチである。
これは他の業態と同様、存続できるか否かというレベルの
ピンチと言えるだろう。
(前回記事はコチラ)
よって今回は今プロレス界が置かれている現状を経営視点で考えてみたいと思う。
当たり前のことだが経営は収入と支出のバランスによって成り立つ。
そしてもうひとつ重要なことはキャッシュフロー。
簡単に言うと使えるお金が手元にあるかどうかである。
黒字倒産という言葉を聞いたことがあるかと思うが、
それは財務上は黒字であるが、キャッシュが手元になくギブアップするということだ。
つまり経営の理想の状態は財務上も黒字であり、
かつキャッシュも潤沢にあるという状態である。
当記事を書く前に新日本プロレスの財務諸表を確認してみた。
新日本プロレスにおいてはキャッシュも潤沢にあり、かつ無借金のようなので、
現状の興業を行えない状態が続いても、しばらくは安泰であるといえるだろう。
興味がある方はネット検索し、ご覧いただければと思う。
資料が見当たらなかったので、推測の部分もあるが、
その他の多くの団体は、新日本プロレスのようなわけではないだろう。
つまり存続できるか否かのタイムリミットが近づいているのではないかと思われる。
百戦錬磨 セルリアンブルーのプロ経営者 [ ハロルド・ジョージ・メイ ]
まずプロレス団体の収入の項目は大きく分けて以下のようになるだろう。
①興行収入
②物販収入
③有料動画配信サービス(有料会員含む)
④放映権収入
細かく言うと他にもいろいろあるかと思うが、この4つが柱となるはずだ。
そして割合で言うと①の興行収入がどの団体でも一番多いはずである。
また②の物販収入もECで行っている団体もあるが、
興行時に付随し販売する割合が大きいはずなので、
こちらも影響を受けていると考えられる。
つまり全団体において、キャッシュを増やす根幹となるものが、
現在ほぼ稼働できていないと言えるだろう。
③、④に関しては新日本プロレスを筆頭とする、
一部団体しかそもそも存在しないものであるが、
この収入こそが今定期的に計算することができる唯一の収入源であるわけだ。
他方、支出面をみると契約内容に依るだろうが、
団体によっては選手に支払うギャランティーが毎月発生するだろう。
また会社を維持するために必要な経費も毎月発生するはずである。
つまりほぼ収入がないのに、一定の支出が毎月必要となる。
言葉にすると簡単だが、これが今置かれているプロレス界の現状だ。
いつまで耐えれるかは団体の規模によるが、
無収入が続くと時期の違いはあれど結末は同じであることは自明の理だ。
そうならないためにも必要なことは、昨日の記事にも書かせていただいたが、
新しい収益を生み出すアクションを起こすことであると思う。
私がこのようなことを書いているくらいであるから、
各団体の方々も同様のことを考えているはずである。
ピンチからの逆転がプロレスの醍醐味であるならば、
今こそ各団体からの逆転のアイデアを聞いてみたいと思う。
そのプランが団体を救うものであるならば、
これからも大好きなプロレスを見るために
ファンならきっと賛同し応援するはずである。
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では最後までお付き合いいただきありがとうございました。