11.29後楽園ホール大会で行われたBOSJ28の第7戦目となるリーグ戦。
この日も好勝負が数多く繰り広げられたが、その中で最も輝いた男を選ぶとすれば、
それは金丸義信ということになるだろう。
この日金丸義信は現IWGPジュニアヘビー級王者みんなエル・デスペラードと同門対決を行ったのだが、
入場時からいつも以上にやる気がみなぎっていたように感じた。
しかしいざ試合が始まるといきなり神経戦を仕掛けたのだ。
俺が負けてやるからと言い放ち、自ら場外におりカウントを要請したのだ。
金丸と真っ向勝負で戦いたいデスぺは、
当然それを阻止すべく場外におり説得を始めたわけだが、
これはヒールマスターの誘い水であった。
金丸はカウント20直前でデスぺを攻撃し、自らはリングの戻り
リングアウト勝ちをかすめようとしたのだ。
すんでのところでデスぺもリングに戻り事なきを得たが、
この時点で多くのファンはこの金丸義信という男の懐の深さを見た思いだっただろう。
しかしこの日の金丸義信はこんなものではなかった。
ジュニアのレジェンドとも言えるこの男は、この後の戦いも一方的に支配したのだ。
現チャンピオンを手玉に取る。
実力者がひしめく新日ジュニアでもこんな芸当ができるのは
金丸義信ただ一人であろう。
試合結果だけ見ると惜しくも金丸はデスぺに敗れたのだが、
負けて強しという言葉はこの日の金丸にこそ使うべきことだろう。
そして多くのファンは歓喜したのは試合後のこのコメントではないだろうか
↓
オイ、そしてなデスペラード、お前がベルト持ってるうちにな、挑戦させろよ、オイ。テメェが持ってるときじゃないと意味ねぇんだよ。オイ、わかったか?
(引用:新日本プロレス公式)
このコメントから察するに、ついにこの男がシングルのタイトル奪取に本腰を入れるのか?
その挑戦を期待しているのは私だけではなく、多くのファンの共通の思いだろう。
また今大会のもう一つのトピックスはメインの高橋ヒロム戦を
疑惑の右足一発でで勝利したELPの試合後のマイクアピールだろう。
“才能の無駄遣い”だって? コーラクエンに集まったオマエら、オレはたったいま、あることに気づいてしまった……。BULLET CLUBの過去の亡霊のことは忘れ、これからはBULLET CLUBの“リアル”フューチャーだけを見て進んでいくべきだってな! オレがこの『BEST OF THE SUPER Jr.』を制覇し、そのまま真っ直ぐ『WRESTLE KINGDOM』に進む。ジェイ、もしオマエがその舞台に上がらないと言うのなら……(意味ありげに肩をすくめ、マイクを投げ捨てる)
(引用:新日本プロレス公式)
前回の試合後のコメントでは新日ジュニアから離脱するようにもとれる
コメントを発したELPだが、今回のリング上ではそれが一転し、
バレットクラブのリーダーを狙うかのような主旨の発言を行った。
ご存じの通りリーダーのジェイが長期間来日しておらず、
内紛騒動が度々発生しているバレットクラブ。
G1開催時にはタマ・トンガがそのような主旨の発言を行っていたが、
今回はこれまでそのような素振りを全く見せていなかったELPが、
新たに内紛騒動の火種となるような発言を行った。
またEVIL率いるハウスオブトーチャーもジェイの不在時に設立された。
このような事実を見ると2022年にバレットクラブは新たなフェーズに入るのかもしれない。
その展開のはじまりはおそらくWK16という事かと思うが、
いったいジェイはこの状況をどうまとめていくのだろうか。
これまでのバレットクラブを考えると、
さまざまなパターンの裏切りや追放劇が想定されるが、
はたしてこの内紛騒動はどのような結末を迎えるのだろうか?
そちらも引き続き注目しておかなければいけないだろう。
さて後半戦に突入したBOSJ28であるが、現在の星取を見ると1敗のSHOが
断然有利な状況である。
2位争いは大混戦と言える状況だが、今大会で3敗目を喫した大本命であるヒロムは
引き分けがあることを考えるともう1点も落とせないと言っていいだろう。
残る4戦となったリーグ戦の中でまだまだ大きな波乱は起きるのか?
今後も目が離せない状況であることは間違いないだろう。