9.5新日本プロレス後楽園ホール大会。
この日の興行はコロナ禍以降では新日本プロレス初の、
そして約2年半ぶりとなる声援が解禁された形で行われた。
その模様は会場や新日本プロレスワールドですでに
多くのファンの皆さんがご覧になったかと思うが、
やはり声援という力は改めてプロレスというジャンルには
必要不可欠であると感じ次第だ。
今回の光景を見てそう感じたのはきっと私だけではなく、
プロレスファン全員の総意といっていいかと思う。
この日の興行でポイントとなる部分を自分なりに挙げてみると、
まず第一試合に登場した鈴木みのるの”風になれ”の大合唱だろう。
この光景はコロナ禍前では当たり前の光景であり、
かつ現在も外国では行われていることであるが、
やはりここ日本の後楽園ホールで行われた光景は圧巻であった。
これだけでこの日の興行の盛り上がりや成功は約束されたと言っていいだろう。
そして続いてのポイントはHOTに対するブーイングという名の声援だろう。
思えばEVILはコロナ禍以降にバレットクラブ(HOT)へと
ヒールターンしたため本格的にブーイングを浴びるのはこの日が初めてとなる。
この2年間賛否両論、いや圧倒的な否の意見や感情を集めるほどの
大ヒールとなったEVILだが、
この日のブーイングは彼にはどのように感じただろうか?
ヒールに対してブーイングを浴びせる。
これはプロレスにとっては当たり前の光景だが、
よく考えるとそれらが制限された中でヒールとしての
存在意義を見出すのは相当難しい作業である。
そう考えるとそれらを乗り越えた先に聞いたこの日のブーイングは
闇の王にとってもきっと心地よいものであっただろう。
もしかするとこの日一番レスラーの中で感慨深かったのはEVILかもしれない。
そして声援と言えばやはりこの男を忘れてはいけないだろう。
そうそれは新日本プロレスで圧倒的な人気を誇る内藤哲也である。
今回の映像を見て改めて思ったが、やはり内藤哲也の人気は
他の選手と比べると、圧倒的なものがあることが分かった。
それはこの日の終わらない内藤コールが如実に示しているわけだが、
それを聞いた稀代のカリスマは改めて東京ドームのメインに戻る
という思いを強くしたことだろう。
次回声援が解禁となる10月の後楽園ホール大会が行われる時、
内藤哲也はどのような状況にあるのかに注目しておきたいと思う。
そしてこの日の興行を締めたのは、新日本プロレスの象徴である
オカダカズチカと棚橋弘至だ。
新日本プロレスの強さの象徴であるオカダカズチカと
新日本プロレスのエースでありアイコンである棚橋弘至。
この記念すべき大会を締めるのはまさにこの二人しかいないという人選だが、
この二人にとってもこの日の光景は一生忘れることはないだろう。
そして個人的に感じたことはやはり声援が出せるとなれば、
これまで自重していたファンの多くの方が会場に足を運ぼうと
思うのではないかということだ。
つまりこの日は本当の意味での新日本プロレス復活の
はじまりの日になるのではないか、ということである。
そして早く声援が全面解禁されることを願うばかりだ。