内藤哲也の6年ぶり3度めの優勝という幕切れ終わった今年のG1CLIMAXであるが、
その裏ではまたそれとは別の出来事が始まろうとしていた。
それは大岩陵平と藤田晃生という二人のヤングライオンが、
この日を持って卒業するということであった。
この出来事自体は少し前から囁かれていただけに、
大きな驚きはなかったが、大岩陵平の修行先に関しては
大いに驚かされた部分がある。
なんと大岩陵平の修行先はこのG1に参戦し、ここ最近タッグを組んでいた
清宮海斗が所属するプロレスリング・ノアであったからだ。
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清宮「ヨシ、OK! 『G1 CLIMAX』最終戦、無事終わりました。やっぱいいっすね、大岩選手。今日もタッグを組んで、隣でね、凄い向上心を感じますね。プロレスリング・ノアと新日本プロレス、そして大岩選手、本人が良ければ、自分と一緒にノアでやってみませんか?」
大岩「(※しばらく考えてから)チャンスくださって、ありがとうございます。自分も清宮さんと同じ気持ちです。是非よろしくお願いします(※と言って、清宮と握手)」
清宮「(※大岩の手を握りながら)二人で行けるところまで行こう」
新日本プロレス所属の若手選手が国内の別の団体で修行するということは
おそらく初めてではないかと思うが、これはいったいどのような側面があるのだろうか。
まず現在のNOAHは新日本プロレスで言うところの、
ヤングライオンと呼ばれるクラスの選手が少ないということが言えるだろう。
少し前に一人の選手がデビューしたが、その前に2名の選手が団体を離れたということもあり、
慢性的に若い人材が不足していることは事実である。
そこに新日本プロレスでも大いに期待されている大岩陵平が参戦するとなれば、
若手戦線だけでなく、NOAH全体にも活況を与えることになるのではないだろうか。
また清宮海斗自身も正式なタッグパートナーがいることで、
動きやすさもこれまでとは変化し、ユニット立ち上げなどもあるかもしれない。
というようなメリットがNOAH側にはあるように思えるが、
それでは大岩陵平にとってはどのようなメリットがあるだろうか。
まず思い浮かぶのは定期的に試合が組まれることは大きなメリットと言えそうだ。
海外ではおそらくそこまで定期的には試合が組まれない可能性もあるだけに
このあたりは経験を積むにあたっては大きな財産となるだろう。
またその他にはジェイク・リーや拳王などの
団体のトップどころの選手達と戦えることも一気に経験値が高まり、
成長を促す事になりそうだ。
そう考えるとこれまでは前例がなかった修行先ではあるが、
大岩にとってはいろいろな経験を積むことが出来そうである。
一方の藤田は多くの先輩がそうであったように、海外への旅立つことになりそうだが、
ヤングライオン時代からTMDKに所属していたこともあり、
その肩書を持って修行を始めることになるようだ。
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TMDKとして海外に行って、どれぐらいで帰ってくるか、そんなことは分からないけど、今自分が持っている色、自分にしかない強さをさらに高めて、色を濃くして、帰ってきたいと思います。そして、ヤングライオンは今日で終わり
また別の見方をすればこの二人のヤングライオン卒業に、
他のヤングライオンたちもいろいろな思いを持っていることだろう。
特にデビュー時期が半年早い中島佑斗からすれば、
明らかに先を越されたということになるので、
危機感をもっていることは間違いないだろう。
しかしこれは現時点での差が開いたというだけあるので、
かれらの出世争いはまだ始まったばかりである。
はたして彼らの中で数年後新日本プロレスで頭角を現しているのは
いったい誰になるのか。
引き続き追いかけていきたいと思う。