5.3福岡大会初日のメインに組まれた
棚橋弘至vsジェイ・ホワイトによるNEVER無差別級選手権。
IWGP世界ヘビー級王座誕生を受け、
タイトルの価値が変化する可能性の高いこのNEVER王座であるが、
このビッグネーム二人の戦いはそれを象徴するものと言えるだろう。
では今回のタイトルマッチで二人が得るものとは何だろうか?
まずジェイであるが、もし今回ジェイが棚橋を下し初のNEVER王者となれば、
前人未到の4冠王達成ということになる。
タイトル戴冠後どう動いていくかはわからないが、
まずは今回タイトルマッチに挑んだ目的は達成されるということだ。
ではもし4冠王者となればジェイはこのNEVERの
タイトルをどのようにしていくのだろうか。
まずそもそもであるがジェイは本当にこのベルトを欲しているのか、
ということが懐疑的である。
機を見るに敏なジェイなので、今回は標的として棚橋弘至とNEVERを選んだが、
彼の本当の狙いはWGP世界ヘビー級王座だろう。
そう考えればもしかするとジェイはこのNEVERのタイトルを
至宝のベルトに向かうための通行手形くらいに考えているのかもしれない。
これは勝手な憶測であるがこのタイトルを長く保持しようとは思っていないだろう。
つまりジェイの目的はその先にあるということかもしれない。
では一方の王者、棚橋弘至はこの試合を通じ、
どのようなものを得ることができるだろうか。
まずは個人的にNJCの敗戦の借りを返すことが出来る。
現在のジェイを破るということは、今後を見据えても大きな意味を持つだろう。
また同時にNEVERの価値も上がることになるだろう。
これは棚橋弘至が語っていたIWGPにNEVERを
近づけるという目的にとっても大きな前進となりそうだ。
つまりこの戦いは両者にとってそれぞれ負けられない戦いということである。
そして今回の戦いのポイントとして、どちらがタップアウトを取るのか?
というところが大きな焦点となっている。
ジェイが棚橋に放つTTO(タナ・タップアウト)と
棚橋がジェイに放つテキサス・クローバーホールド。
いやジェイに対してはJTO(ジェイ・タップアウト)と言うべきか。
両者どちらが相手からタップを奪うのか。
おそらくこの勝負は上記のどちらかの技で決着がつくはずだ。
このタイトルマッチはジェイが本番までシリーズに参戦しないので、
タイトルマッチでの一発勝負となる。
はたしてどちらが相手の心を折るのか、
そして勝者は試合後リング上で何を語るのか、
その先にあるスタジアムマッチに向けての展開もそこで起こるのかもしれない。
棚橋弘至とジェイによる極上のNEVERタイトルマッチ。
それはこれまでのNEVERのバチバチした戦いとは違う
新たな戦いになるのではないだろうか。