1.20後楽園大会にて開幕し、連日熱戦が繰り広げられている新春黄金シリーズ。
今シリーズの展開の中心は各タイトルの前哨戦であるが、
そんな中、そのタイトル戦線には絡んでいない、
高橋ヒロムとグレート・オーカーンが別の形で話題を提供している。
彼らは現在連日ヤングライオンとの戦いが組まれているのだが、(ヒロムは隔日)
まずヒロムが開幕戦でいきなりサプライズを見せた。
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なあ、大岩。新日本プロレス、今年で50周年なんだ。そこでね、俺、メチャクチャ気合入ってんの! だから、大岩。オマエ、俺に勝てねえよ。勝てない! 絶対に勝てない。だから、ヒロムちゃん! スーパービッグチャンスを上げようかなと思って。だって、二試合ヤングライオンの試合が続くんでしょ。それだったら、ちょっと色を変えたいなと思ってさ。だからさ、今シリーズ、新春黄金シリーズですよね。新春っぽさ! 新春っぽさとはなんなんだろうと考えました! その結果、ヒロムちゃん特製、新春お年玉マッチ~!(場内拍手)。(いきり立つ大岩に)待て待て、内容を聞けよ。オレが今日、このマスクを被ったまま試合をするの、カマイタチとして試合をするよ(場内拍手)。その通常のプロレスルールプラス、もしこのマスクを剥いで、ヒロムちゃんの素顔を出したときにはな~んと、お年玉を用意しました~!(場内拍手)。しかも! すごいリアルな金額、一万円!(場内拍手)。100万とか10万とかじゃなく、すごくリアルな金額。さあ、この特殊なルールでやる? やらない? どっち?
(引用:新日本プロレス公式)
この試合でヒロムはヤングライオンとの戦いを普通の戦いにするのではなく、
覆面剥ぎ付きのお年玉マッチ(1万円)とし、ファンにサプライズを提供したのだ。
このあたりの少しでもファンを喜ばせようとする姿は、
表現の形は違うが、師匠の内藤哲也譲りということだろう。
結果はマスクを2枚用意したヒロムの作戦もあり、
大岩はお年玉をもらうことは出来なかったが、
彼もこの戦いを通じ様々なことを学んだだろう。
やはりベルトが無くても、そしてテーマが見えなくても
高橋ヒロムというレスラーは何かをやってくれる男である。
そしてそんなヒロムに呼応するようにオーカーンも
翌日の後楽園大会でサプライズを仕掛けた。
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オイ、クソガキ。昨日の観てたぞ。カネがほしいんだってな。だったら、コレ見ろ(と、札束を取り出す)。余のきんちゃく袋にあるのを適当に集めてきた。まあ、100万くらい、あるんじゃないか?
オイ、どうだ? リアルな数字だろ? 余みたいに、一流のレスラーになれば、こんなはしたカネ、一試合で楽に稼げるんだよ。こんなガキみてえな小遣いほしけりゃ、くれてやるよ。いますぐ、参りましたと言えオイ、余が第1試合で貴様なんかと肌を合わせる気なんかサラサラねえんだよ。貧乏人は貧乏人らしく、地べたに頭こすりつけて、参りましたと言え!
クソの役にも立たねえプライド守ってんのか? 犬っころみてえに尻尾ブンブン、唾液ダラダラ流してんのはわかってんだよ。ラストチャンスだ。参りましただ、言え!
(引用:新日本プロレス公式)
上のマイクアピールを見てもわかるように、
オーカーンは大岩に対し100万円を見せつけギブアップを迫ったのだ。
このオーカーンの策略は大岩の拒否により功を奏せず、
試合は始まったわけだが、前日のヒロムのアクションを見ての、
この素早い対応はまさにオーカーンのプロレス頭の高さの証明だろう。
また今回は100万円という高額を用意し、前日用意した1万円が
かなりしょぼく見えるとヒロム本人が解説席で泣きを入れていたが、
ここまで計算しての行動であれば、やはりこの男は凄い男である。
そして試合後、今月末で新日本プロレスを退職する
尾崎リングアナに餞別とばかりに用意した100万円を手渡した。
ヤングライオンとの第一試合をただの戦いで終わらせない。
昨年受賞したプロレス大賞技能賞は伊達ではないということだろう。
さて今回サプライズを魅せてくれたヒロムとオーカーンだが、
彼らに共通するのはさまざまな話題をファンに提供するという発信力の高さだろう。
リング上の試合だけではなく、その前後の仕掛けや、
SNSやYouTubeなどを使った情報の発信。
それらは現代のプロレスラーには必須と言えるものだが、
彼らは間違いなくその分野ではトップランナーと言えるだろう。
現在は主だったテーマがない二人であるが、
このような行動を続けていれば自ずとチャンスは巡ってくるだろう。
またすでにヒロムはジュニアの第一人者と言える立場だが、
オーカーンはヘビー級の次世代を担う一人であることは間違いないはずだ。
チャンスを掴むには自らがまずは行動する。
これは通常のビジネスシーンでも言えることだが、
オーカーンはその重要性を理解し実践しているということだろう。
そう考えればこの2022年が進むにつれ、
彼らが新日本の主役を担っていても不思議ではないかと思う。
高橋ヒロムとグレート・オーカーン。
引き続きこの男たちを注目していきたいと思う。
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