Road to SAKURA GENESISで連日対戦が続いた内藤哲也と辻陽太。
その最終戦となった先日の後楽園大会で内藤哲也が辻陽太に対し、
エスペランサを繰り出した。
内藤哲也にとっては大技と言えるこの技を、なぜヤングライオンである
辻陽太にあえて繰り出したのか?
今回の記事ではそのあたりについて書いていきたいと思う。
ご存知の通り辻陽太は内藤哲也とのシングルマッチを熱望しており、
その実現のため、会社の後押しに期待せずSNSを駆使し行動に移していた。
この作戦は惜しくも目標数を達成することができず、
内藤哲也とのシングルマッチは実現することはなかったが、
そこで諦めることなく、次は会社に要望書を提出することを考えていたようだ。
これらの行動はヤングライオンという枠で見れば逸脱しているのかもしれないが、
一プロレスラーとしては評価される行動ではないだろうか。
内藤哲也がよく言う一歩踏み出す勇気を体現している行動かと思う。
そしてそんな辻の行動に対し内藤哲也はこんなコメントを残している。
↓
チャンスは待ってるだけじゃ掴めない。自分から掴みに行かなきゃ、チャンスなんて絶対に訪れないと、俺は思いますよ。辻が、簡単に俺の名前を出していることに関して、ハッキリ言って迷惑でしかないけど、今日、俺があえてエスペランサって技を使った意味を、辻はよく考えた方がいいな。今、コロナの影響で、簡単に海外遠征に行けない状況になってしまっている。人間誰しも、時間的に限りがあるわけで、そりゃ焦る気持ちも分かるよ。でもさぁ、こんな時こそ、あの言葉を思い出せよ。そう、まさにトランキーロ! あっせんなよ。
(引用:新日本プロレス公式)
コメントでは迷惑などと辛辣な言葉を並べているが、
内藤哲也は今回の辻の行動を評価しているのではないだろうか。
そうでないとあえて辻にエスペランサを出さないだろう。
エスペランサは日本語でいうと希望という意味であるが、
内藤哲也が辻にエスペランサを使った理由は、
お前にはまだまだこれから希望しかないという内藤哲也なりのメッセージではないだろうか。
私には今回の戦いを見てそのように感じた次第である。
さてこれから辻陽太が目指すものとは、内藤哲也とのシングルマッチだけだろうか?
いや、それ以外にも一刻も早いメキシコへの海外遠征。
もしくはその先にはLIJ入りを目指しているということもありえるだろう。
別の視点で考えると憧れである内藤哲也が作ったLIJに入るために、
辻はヘビー級でありながらも、
そのルーツであるメキシコ行きを希望しているのかもしれない。
現状のコロナ禍と先の見えないヤングライオンとしての立場。
自身の年齢などを考えれば、決して内藤哲也が言うトランキーロではいられないだろう。
今回内藤哲也戦に向け一歩踏み出した辻陽太だが、
自身の立場を変えるためにはさらにもう一歩踏み出す勇気が必要なのかもしれない。
もしかすると内藤哲也はそんな辻陽太の次の行動を待っているのではないだろうか。