SUMMER STRUGGLE 2021 – 東京・後楽園ホール 2021/8/27 – 第5試合 30分1本勝負 | 新日本プロレスリング (njpw.co.jp)
少し前の話となるが8.27で復帰をはたした高橋ヒロムが、
試合後のコメントで今後のジュニアについて語ったことを覚えているだろうか。
そのコメントの一部を抜粋したので、まずはこちらをご覧いただきたいと思う。
↓
ジュニアとヘビー、違いが分かんねぇな。よくか悪くか、
違いが分かんねぇな。でもコレってさぁ、ヤバいんじゃないの? 全てが曖昧だとさぁ、これから先、 ジュニアをやりたいと思う人間がいなくなっちゃうんじゃないかっ て、すげぇ不安になったよ。ジュニアとヘビー、何が違うと思う。頼みの綱の上村も、『 105kgになって帰ってきたい』って言ってたし、 デビューしたばっかのあの2人も、 ジュニアなのかヘビーなのか分からないけど、 どっちなんだろうなぁ。ただ今、 この曖昧な状況でジュニアを選択してくれるかどうか、 俺はそこが怖い。どれだけすごい試合、必死こいた試合、 面白い試合をしようが、どっちを選択してくれるんだろうなぁ だったらさぁ、思いついちゃったんだよ。
ジュニアによる、ジュニアのための、 ジュニアの入門テストをやろうぜ。トレーナーはそうだなぁ……( ※ビデオカメラを指差して)金丸さんがいいかなぁ? いや、いいんだ、いいんだ、 コレを一人のファンの意見として聞くか、それとも、 真剣に向き合って、そろそろ考えるべきなんじゃないのか、 新日本プロレス。 (引用:新日本プロレス公式)
これはヒロムが欠場中にファン目線で新日本プロレスを見ていて
感じたことを述べたものである。
このヒロムの発言を端的にまとめると
ヘビーとジュニアの境界があいまいとなっている現在の状態を見て、
今後ジュニアを選択する選手がいなくなるのでは?と危惧しているのだ。
この危機感は新日ジュニア新世代のカリスマと呼ばれ、
人一倍ジュニアに誇りを持ち、牽引する立場にある
ヒロムの責任感から来るものであろう。
近年はこのヒロムの台頭により、ビッグマッチでメインを務めることもある
ジュニアヘビーであるが、やはり依然としてヘビー級との格差は否めないところだ。
つまりレスラーから見ると、よりトップに近づくためには
ヘビー級を主戦場にした方がよりトップに立つ可能性が生まれることになる。
現に統一後のIWGP世界ヘビー級王者となった飯伏、オスプレイ、鷹木信悟の
3名は全員ジュニアヘビー級を経由しヘビー級に転向している。
ヘビー級に転向した理由は個人により様々かと思うが、
より高みを目指すためにジュニアを卒業したというところは
全員共通した理由であるかと思う。
表現に語弊があるかと思うが、
このジュニアがヘビーのステップとなっている状況も
ヒロムが危機感を抱く要因の一つかと思う。
下のリンクは今年7月に新日本プロレスの公式サイトから発信された
新弟子募集のニュースであるが、その募集要項を見ると以下の内容が記載されている。
↓
■募集条件
条件は18歳から23歳までの180cm以上の健康な男子
【お知らせ】目指せ!未来のメインイベンター! 新日本プロレスでは、随時、新弟子を募集中です | 新日本プロレスリング (njpw.co.jp)
現在のヘビー級のトップ選手のほとんどが180㎝であることを考えると、
これはヘビー級となる人材を想定したものだろう。
これはつまり現在の新日本ではヒロムのような条件に満たない者が、
レスラーになるチャンスが基本的にないということだ。
ここまでの色々な条件を考えてみると、ヒロムが危惧する新たな生え抜きの
ジュニア選手の発掘は相当困難であることがわかる。
では今回のヒロムのジュニアによるジュニアのための入門テストは
はたして実現するのだろうか?
これまでならばレスラーがコメントとして発した言葉が
実現することはあまりなかったかと思うが、
ジュニアに関し大きい発言力を持つと思われるヒロムが
発したという意味は会社が無視できないほど大きいことかと思う。
よって今後何らかの形で身長制限などを取り払った入門テストが
行われる可能性は大いにあるかと思う。
最後にヒロムの言葉を借りるが、新日本プロレスはこの問題に真剣に向き合い、
そして考えたのち、どのような結論を出すだろうか。
今回のヒロムのこの提言が実現することを大いに期待しておきたいと思う。