ここ最近では最大の論争を巻き起こしていると言っていい2冠統一問題。
今一度、今回の2冠統一に関して書いてみたいと思う。
もちろんここから書くことは全て推測である。
それを念頭にご覧いただければ幸いである。
まず今回の統一に関しては、そもそも実施ありきで進められていたということだろう。
つまり飯伏幸太が提案したから始まったわけではないということであると思う。
ではなぜ新日本プロレスがそのような戦略を進めようと考えるに至ったのかを
推測すると、その大きな要因は昨年の2冠戦線のファンの反応であったかと思う。
内藤哲也からの提案により始まった2冠という概念。
それは内藤哲也自身の手によりなし遂げられたわけだが、
実際に運用してみると、会社が考えていたような結果が出なかったということではないだろうか。
もしくはそれ以前よりインターコンチの処遇を考え、
2冠同時保持という展開を進めていったのかもしれない。
つまり新日本プロレスから見ると、今回の一連の展開は長い期間をかけた
検証の時間であったということだ。
そしてその答えとして統一という方向を示したということだろう。
しかし新日本プロレスとしても、今回このような性急な展開で進めていけば、
ファンからの反発が起こることは当然想定済みだろう。
その想定込みで話題を作り目を向けさせたということかもしれない。
たしかに今回の騒動は良い悪いは別にして大きな渦を巻き起こしている。
それを簡単に言うと新日本プロレスと統一提唱者の
飯伏幸太がヒールとなっている構図である。
まさにファンとプロレスをしている状態だが、あえてその状態を作ったのならば
新日本プロレス恐るべしということだ。
ではなぜ№1と№2のベルトをあえて統一させたのか。
その理由はタイトルの価値向上ということではないだろうか。
これまではIWGPに少し手が届かないという選手には、
ICというある意味逃げ道があったが、これからはそう言うことは出来なくなる。
つまり新設されたIWGP世界ヘビー級というタイトルは、
よりそのハードルが高くなり、自然とその価値が高まるというわけだ。
よってこのベルトはより限られた本当のトップの選手たちで争われることになるだろう。
そうなればその戦いは必然的レベルが向上して行くことになるはずだ。
それを見た多くのファンは、やっぱり新日本の戦いはスゴイ!と感じ
再び以前のような熱気を巻き起こすのではないだろうか。
また他の要因を考えると時期的にもそう遠くない将来に
現在のコロナ禍も終息が訪れ、通常モードの観戦と動員が戻ることになるはずだ。
そしてもう一つ考えられることは来年が創立50周年という大きな節目である。
それまでに新たな価値観を作っておきたかったと考えれば、
約1年前の今が最適であったともいえそうだ。
このようにいろいろ考えていくと、今回の統一という事柄は必然であったとも思える。
しかし重要なことはこれからこのタイトルに関わる選手たちが、
どのような展開や戦いを見せていくかということだろう。
今回の騒動で離れていくファンの方もいるかもしれないが、
多くのファンは最終的には今回のことを受け入れ応援し続けていくはずである。
来たる50周年に向け、より新しくなった新日本プロレスに
大いに期待しこの記事を終わりたいと思う。