先日の7.25東京ドーム大会のメイン終了後、暗闇から登場し
IWGP世界ヘビー級王座挑戦をアピールした暗黒王EVIL。
その行動の結果、9.5メットライフドームで至宝のベルトへの挑戦が決定した。
昨年の2冠王座陥落後、シングルでは大きなチャンスがなかったEVILだが、
再び新日本の中心に君臨する機会を得た。
はたしてEVILはこのチャンスをいかし、
再び新日本を闇の世界へと導くことができるのか?
本日はこのあたりについて書いていこうと思う。
まず現在の新日本に継続参戦している中で、
EVILは唯一の絶対的なヒールといっていい存在だろう。
新日本にはヒールユニットと呼ばれるユニットが数多くあるが、
実際にはそこに属している多くのレスラーはダークヒーロー路線である。
ヒール=ファンのヒートを浴びる、ということであるならば、
彼らはその定義に当てはまらないだろう。
そんな中でEVILはBC入り後は徹底してヒールそのもののファイトを貫いている。
そのファイトは乱入、急所攻撃などまさにヒールのそれである。
もちろんそのようなファイトは今現在も多くのファンから批判を浴びている。
しかしそれこそがEVILにとっては声援といっていいだろう。
つまりファンのブーイングにもブレず、己のスタイルを貫いたことで
EVILは完全にトップヒールとしての地位を確立したわけである。
そんなEVILが今回IWGP世界ヘビー級王座に挑戦することとなった。
相手は元LIJの同門の鷹木信悟だ。
この二人は直接的にこれまで深い因縁があったわけではないが、
EVILは鷹木信悟がLIJに加入したことで、
最も影響を受けたという間接的な因縁があると言っていいだろう。
なぜなら二人はLIJ当時、そのファイトスタイルが近いことから
何かと比較される存在であったからだ。
直線的なファイトスタイルや、痛みの伝わるゴツゴツしたファイトスタイル、
つまり二人はNEVER感溢れるスタイルという部分で非常に似通っていたわけだが、
その比較論では鷹木信悟が徐々に支持を集めるようになった。
その結果EVILはいつしかLIJヘビー級の4番手と呼ばれるようになり、
そのか序列が下がっていってしまった。
本人は決して認めることがないだろうが、LIJ離脱、BC加入の理由の一つに
これらの要因があったことは間違いないのではないだろうか。
そう考えると今回のこのタイトルマッチで
より負けることが出来ないのはEVILということになるだろう。
大げさに言えばまさに己の存在意義を賭けた戦いであると言える。
メットライフドーム2連戦の最後を締めるタイトルマッチであるが、
そんなことは関係なくEVILはこれまで同様のファイトを貫いてくることだろう。
東郷の介入はもちろん裕二郎の介入などもあるかもしれない。
また反則攻撃も厭わずどんどん出してくることだろう。
つまり昨年のNJC同様、EVILは何が何でもの精神と自分のファイトスタイルで
この至宝のベルトを奪いに来るはずだ。
もちろんビッグマッチのメインであるタイトルマッチで、
この戦い方をすれば多くのファンから、またヒートを買うことになるだろう。
しかし繰り返しとなるがそれはEVILにとっては大声援と同義だ。
なぜなら彼はヒールとして生きることを選んだからである。
個人的にはそんな今回のタイトルマッチを非常に楽しみにしている。