現在IWGP世界ヘビー級王者である内藤哲也。
そんな彼は至宝のタイトル保持者ということもあるが、
名実ともに新日本プロレスのトップといえる存在だろう。
またその存在感は新日本プロレスのみならず、
日本プロレス界を見渡しても、頂点の座にいると言って過言ではない。
そこで今回のタイトルであるが、そんな立場にいる内藤哲也は、
それ故にトップとしての孤独を感じているのではないのかと思う。
その理由としては、今年オカダ・カズチカとウィル・オスプレイがAEWに移籍し、
その前年にはジェイ・ホワイトが先にAEWへと移籍している。
この3名は言わずもがなであるが、ここ数年内藤哲也と激闘を繰り広げた
間柄であり、ライバル、好敵手といえる存在であった。
特にオカダ・カズチカはここ10年近く頂点の座を争っていただけに
口にはしないがその喪失感があることは間違いないだろう。
つまりここ2年で一斉にライバルがいなくなったことで、
内藤哲也と同格の選手がいなくなり、結果孤高と言える立ち位置になってしまったわけだ。
もちろん新日本プロレスには社長でもある棚橋弘至がいるが、
その立ち位置は第一線というわけではなく、レジェンド的にポジションに移行している。
よって内藤哲也は現状抜けた立場であると思うが、
それを解消するにはやはり新しい世代からの本当の意味での突き上げが必要だろう。
ファンのみなさんもご存知の通り、プロレスというジャンルの特性として、
勝敗だけでは超えることが出来ない物があることは事実だ。
それだけに内藤哲也をほんとうの意味で超えるのは難しいわけだが、
それを求めているのは、もしかすると内藤哲也自身かもしれない。
”選ばれし者の恍惚と不安、二つ我あり”
これはあの前田日明が語った有名な言葉であるが、
内藤哲也は今同じような思いを持っているのかもしれない。