先日無観客試合を行ったスターダムの感想を木谷オーナーが語ったが、
その中で現状のこと、今後のことについて少し話していた。
(上記事参照)
新日本プロレス、そしてスターダムのオーナーである木谷氏は、
何を語ったのか、今回はそちらについて書いてみたいと思う。
まず以下は記事内での木谷オーナーの発言を要約したものである。
日本の団体で無観客で成り立つところはひとつもない
単に自粛していては兵糧がもたない
新日本に関しては『こうさせてくれ』というのがあるので任せている。
(引用:東京スポーツ)
言葉にすると簡潔であるが、この言葉の意味はかなり深いと思う。
それは現在実質的に業界を牽引している両団体のオーナーの発言であるからである。
『日本の団体で無観客で成り立つ団体は一つもない』
この言葉の意味は業界の盟主である新日本プロレス含め、
日本のプロレス団体は興行収入に依存していることに他ならないからだ。
一方アメリカのプロレス団体、および格闘技団体はPPVにて莫大な放映権料を
獲得している構造であるので、想像ではあるが興行収入の割合はかなり低い
と思われる。
つまりアメリカの団体は試合の映像があれば、経営が困窮しない構造であるが、
放映権料を販売する文化が無い日本では、今回のように大会が開催できない
状態が続けば、即死活問題となるわけである。
それが『単に自粛していては兵糧が持たない』ということであるかと思う。
今回再延期を決めた新日本プロレスもそうだが、他団体においても
現在は大会の中止や延期が相次いでいる状況である。
もっと広くエンターテイメント産業で見てみてもライブなどの中止が続いている。
すなわち今、日本からライブで届けるエンターテイメントが消えているという事だ。
この状況は主催者だけではなく、それに関わる周辺にも影響が出ているわけだが、
この自粛という状態が続くと、体力のないところが厳しくなるばかりである。
もちろん感染というリスクを防ぐため、中止という選択も重要だが、
どこかで踏ん切りをつけないと別のリスクが発生することになるだろう。
そのリスクとは当事者にとっての経済的な終焉を意味することになる。
このまま長期間自粛を続けるのか、否か。
エンターテイメント産業のタイムリミットはすぐそこにあるのかもしれない。
大会を行う勇気。そして大会を中止、延期する勇気。
現在の状況ではどちらが正解なのかは、誰にもわからない。
ただこのままライブでの試合が見れないとなると、ここまで盛り上がっていた
プロレス熱が下火になっていく事は避けられないだろう。
それを避ける為にもなにかファンも団体側にも
Win-Winとなるような策はないだろうか。
早くそのようなものが見つかることを願うばかりだ。
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では今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。