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2.20後楽園大会
2.20後楽園大会。コロナウイルスの影響もあり
開催自体も懸念されたが、無事実施の運びとなった。
またそんな状況の中でも、
映像越しではあるが多くのお客様の姿も見えた。
平日の後楽園大会の連戦であるが、
この圧倒的な動員力こそが、
今の新日本プロレスの強さと言えるだろう。
そして今大会で行われた各試合の中にも多くの見どころがあった。
今回はそのあたりのことを書いていこうと思う。
プロレス王にケンカを売るヤングライオン 上村優也
(出典:新日本プロレス公式)
今大会、鈴木軍と対戦したヤングライオンの上村優也。
なんと入場時の勢いそのままに、
プロレス王 鈴木みのるに突っかかっていった。
もちろんその姿を見た会場は大歓声だ。
ファンからの評価も高い上村優也だが、
今回は良い意味でファンの斜め上の行動を起こしたということだ。
もちろん最終的にはボコボコにされたのだが、
勝敗以上のインパクトを残したことは確実である。
それを証拠に試合後、鈴木みのるは
ゴッチ式パイルドライバーを仕掛けようとした。
みのる流の最大限の称賛ということだろう。
そして試合後上村優也はこんなコメントを残している。
(※少しずつ起き上がりながら)悔しいけど、今の俺じゃ力不足だ。勝つのはもちろん、力をつけるためにも、俺を、『SUPER Jr』に出せこの野郎!
(引用:新日本プロレス公式)
堂々のスーパージュニア出場宣言だ。
以前のジュニア王座表明も加え、
素晴らしい行動力ではないだろうか。
想いを口に出して伝える。
内藤哲也の哲学がこのヤングライオンには
備わっているということなのかもしれない。
このままの勢いでもっと弾ければいいと思うのは、
きっと自分だけではないだろう。
内藤哲也と高橋ヒロム そしてEVILの想いとは
(出典:新日本プロレス公式)
ここはまず試合後の以下のコメントを読んでいただきたい。
ワールドなどで観戦した方は、ご理解いただけると思うが、
ヒロムのモンゴリアンチョップが
内藤哲也に誤爆したことについてのやり取りだ。
内藤「第三世代の結束? 中西の攻撃も効いたよ。でもさ、今日一番効いたのは高橋ヒロムのモンゴリアンチョップですよ。今日のL・I・Jの敗因は間違いなくあのモンゴリアンだよ……」
ヒロム「(内藤がコメントしているところに割って入ってきて)おいおいおいおい!」
内藤「ちゃんと見て打ってくれよ!」
ヒロム「おいおい、ちゃんと見て打ったよ、ちゃんと見て! 内藤さん、あんたを狙ってモンゴリアン、打ったんだよ」
内藤「マジか?(笑)」
ヒロム「悪いか?」
内藤「いいね」
ヒロム「俺と内藤さん、闘うんだよ。ただのスペシャルシングルマッチなんて、誰がおもしろいんですか? 誰が興奮するんですか? 内藤さん、そんな和気あいあいのシングルマッチ、お好きですか? 嫌いですよね?」
内藤「うん、望んでないね」
ヒロム「俺は内藤さんのそういう性格、めちゃくちゃ知ってるんですよ。内藤さん、4月からBS朝日でゴールデンタイムですよ?」
内藤「シー」
ヒロム「本物の俺と内藤さんの闘いがテレビの前のお客さんは見たいんですよ」
内藤「大田区の大会は放送されるの?」
ヒロム「当たり前じゃないですか……知らない! いや、知らない!」
内藤「え? 4月から放送されるの?」
ヒロム「確かにそれは……どうなの? どうなんですかね? それは知らない」
内藤「それは知らない?」
ヒロム「それは知らないけど、俺と内藤さんがもしその大田区でもの凄い闘いをしたら、4月放送する予定はなかったけど入れなきゃなんねえな、となるじゃないですか? そのためには高橋ヒロムが内藤哲也を倒すという姿をお客さん全員が見たいんですよ」
内藤「わかるね。わかるし、俺をとことんまで焦らせてほしいよ」
ヒロム「だから、俺は手段を選ばない。内藤さん、残り何試合、3月3日までに何試合闘うかわからないですよ。わからないですけど、俺は堂々とあなたのことを攻撃します。そして、少しでも3月3日にダメージが残るように、(内藤の胸を叩きながら)ここにいる時もこうやってダメージを与えていきますから、そのつもりでいてください。わかったか? そう言えばいいんですよ」
(引用:新日本プロレス公式)
それに対する内藤哲也の答えはこれだ。
まあ、彼の言う通り、ただのスペシャルシングルマッチで俺も終わらすわけないんで。それくらい彼とはここまでいろいろあった。まあ、俺、この前の一夜明け会見で言ったけど、高橋ヒロムに負けたら2本とも彼に渡すつもりで大田区のリングに上がる。いやあ、それにしても今日は効いたわ。ダメージが半端ないわ。そう言えば、明日も高橋ヒロムと同じ試合だっけ? 対戦相手のことも気になるけど、やっぱり一番気になるのは隣りにいる高橋ヒロムだよね。さあ、俺もヒロムにダメージ与えっかな? どうやって与えよっかな?
(引用:新日本プロレス公式)
二人はご存知の通り、
3月3日旗揚げ大会にてシングルマッチを行うが
同じユニット同士なので、直接的な前哨戦は出来ない。
しかし、稀代のトリックスターの考えることは違う。
なんと試合中に、誤爆を装い攻撃を仕掛けたのだ。
こんなことは普通の選手は思いつかないであろう。
旗揚げ戦までの残された時間で二人が
どのように盛り上げるのかを注目していたが、
ファンとしては完全に意表を突かれた格好である。
カリスマとトリックスターが絡めば同門でもこれだけ
盛り上げれるということはさすがの一言である。
これでますます本番の試合が楽しみになってきた。
そして一つ別の意味で気になることがあった。
この試合でピンフォール負けをしたのがEVILであったことだ。
いまだ闇の王は眠りから覚めないのか。
これはNJC以降の爆発の予感なのか。
今こそEVILの想いを聞きたいところだ。
NEVER無差別級選手権 限界の先の戦い
(出典:新日本プロレス公式)
逃げない、避けない、倒れない。男同士の意地の張り合い。
いろんな言葉が思い浮かぶが、どんな言葉も陳腐に思える。
今大会のメインで行われたNEVER無差別級選手権は、
ファンの予想を上回る壮絶な戦いとなった。
結果は鷹木信悟の防衛となったが、
敗れた石井智宏も勝者と言えるのではないだろうか。
信悟が掲げた、『NEVERの価値を高める』という目標は
この防衛戦で達成されたことは確実だ。
そして信悟自身はバックステージのコメントで、
NEVER王者として、NJC出場を宣言した。
その中でおそらく次の挑戦者が見えてくることになるだろう。
そしてもし信悟が優勝すれば、内藤哲也との3冠戦も見える。
俺は新日本での歴史がないと、本人は語っていたが、
それはこれから作っていけばいい話だ。
鷹木信悟であれば、今後この新日本プロレスで
歴史を作ることは十分に可能であると思える。
これからもきっと、先人から脈々と受け継がれた
魂のプロレスを私たちに見せてくれることだろう。
では今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。